一目均衡表の先行スパン1、2で作られた雲を見れば相場の未来が予測できます。
でも、雲の使い方ってよくわからないんだよなぁ。
一目均衡表が他のテクニカル指標よりも優れている点は、単純に現在を見るだけでなく、過去が現在に与える影響を一目見ただけでわかるところです。
もし、転換線と基準線だけならば、移動平均線の短期線、長期線と対して変わりませんからね。
一目均衡表とその他のテクニカル指標との決定的な違いは、『時間的な視点』で相場を見れるところです。
その時間的な視点というのが、先行スパン1と先行スパン2の間で作られる『雲』なのですね。
一目均衡表の雲とはなんぞや?
先行スパン1は基準線と転換線の中間値、先行スパン2は当日を含む過去52日間の高値と安値の中間値です。
そして、注目すべき点は、先行スパン1と先行スパン2を未来に向かって26日分先にずらして表示させているところ。
時間軸を未来にずらして表示させる
この斬新な発想こそが、相場を縦軸の価格だけでなく、横軸の時間という概念を生み出しているのです。
でも、雲を26日先にずらして表示させると何がわかるの?
過去から未来にずらして表示させるわけですから、雲を26日先にズラしてわかることは、
過去が未来にどんな影響を与えるか
です。
先行スパン1は、転換線と基準線を足して2で割った値を表した線なので、短期から中期的な値動きの中間値を示しています。
対して先行スパン2は、52日間の高値と安値の中間値なので、先行スパン1に比べるとより長期的な値動きの中間値を示しています。
その2つの線を囲む領域が『雲』というわけです。
つまり何が言いたいのかというと、『雲』は中期から長期にわたって取引した投資家たちが、主に取引を行った価格帯の中間値だということです。
株やFXでは、当然ですが買ったものをいつかは売り、売ったものをいつかは買うことで、儲けたり、損したりします。
新規に売買したものは、必ずいつか反対売買するということ
つまり、
雲の中には投資家たちが過去に取引した未決済のポジションが残っている
ということなのです。
雲が抵抗帯や支持帯になる理由
では、雲が抵抗帯や支持帯になる理由をお話しします。
【雲が抵抗帯となる理由】
雲の領域に大量の買いポジションが未決済のまま取り残されている場合、もしローソク足がその下にあるとしたら、雲に近づくにつれて損失を抱えた買いポジの戻り売り圧力が強くなります。
逆に、ポジションを保有していない投資家は、ローソク足の上昇が雲によって上値が重くなるのを見越して、新規の売りポジを建てます。この動きも雲が抵抗帯となる原因なのです。
だから、雲は抵抗帯として機能するというわけです。
【雲が支持帯となる理由】
反対にローソク足が雲の上にある場合、過去に買いポジを建てた投資家は、今より下落すると利益が損失に変わるので、平均値を下げるためにナンピンで買い増します。
また、雲の中で売りポジを建てた投資家は、ローソク足が雲戻ってくると利益が減るので、ポジションを手仕舞うため買い戻しをします。
こうした買い圧力が働くので雲が支持帯の役目を果たすことになります。
なお、ローソク足が雲の中に入ると、過去の投資家たちの売買が激しく行われるため、値動きが乱高下しやすいです。
チャートは一目均衡表の雲だけを表示したものです。
A地点では雲に沿った形で上値が抑えられていますね。雲が抵抗帯として機能している証拠です。
逆にB地点では、雲を下抜けた直後に一気に下落しています。
なお、ローソク足がいったん雲を下抜けたり、上抜けた場合、過去の取引が一掃されて急激にレートが動く可能性が高まります。
では、一歩先行く雲を使った値動きの予測の仕方をご紹介します。
雲の支持帯と抵抗帯で相場の未来を予測する方法
上記チャートは一目均衡表の雲だけを表示しています。
こうしてみると雲が長期下降トレンドの抵抗帯として機能しているのが一目でわかります。このように一方方向の下降トレンドが続く場合、雲は一貫してローソク足の上に位置することが多く、逆に上昇トレンドの場合は、雲が下に位置します。
ローソク足が雲の上にあるか下にあるかを見るだけで、トレンドの判断ができるのが雲を見る際の注目ポイントになります。
そして、雲はそのまま売買シグナルにもなります。
【下降トレンドの時】
ローソク足が雲にタッチ、又は雲入りしたら『戻り売り』のサイン
【上昇トレンドの時】
ローソク足が雲にタッチ、又は入りしたら『押し目買い』のサイン
どうです?めっさシンプルでしょ?
ちなみに、ローソク足が雲をどちらかに抜けた場合、どう解釈すればいいのでしょうか。
その場合は、雲のねじれに注目します。
チャート右端の先行スパン1と先行スパン2がねじれて逆転していれば、トレンドが転換したというサインになります。
つまり、雲のねじれでトレンドを予測することができるのです。
雲の厚さやねじれで値動きを予測する
このチャートでは、実際にねじれをキッカケに相場のトレンドが変わったことがわかりますね。
このチャートでは、ローソク足の雲下抜けと雲のねじれが同時に起こっているので、かなりトレンドが転換する確率が高いですね。
同じ雲でも先行スパン1が上にあり、先行スパン2が下にある時と、先行スパン1が下にあり、先行スパン2が上にある時とでは、かなり意味合いが違ってきます。
先行スパン1は短期、先行スパン2は長期の値動きを示しているので、スパン1がスパン2よりも上にあるときは上昇トレンド、スパン2がスパン1よりも下にあるときは下降トレンドと考えます。
2本の先行スパンがねじれて上下が入れ代わったら、相場に変化が起こることが多いってこと
これは、覚えておくといいですね。
また、一目均衡表の雲を見るときは、雲の厚さも重要なポイントになります。
雲というのは過去にその地点で激しい売買があったという軌跡なので、市場参加者が意識しやすい場所です。
雲が分厚いところは、過去の相場の参加者が多く、それだけ抵抗や支持が強力です。
こういう状況下では、いったん雲の中に入ってしまうと、なかなか雲の外に出てこない場合が多いです。反対に、雲が薄い場合だと、過去の参加者が少ないので、レートが大きく動きやすいですね。
ってことで、
分厚い雲は抜けにくい
薄い雲は抜けやすい
これは、トレードする上で覚えておいて損はないです。
では、レッツ!トレード!
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